アーユルヴェーダの料理と食事

アーユルヴェーダ料理とは

アーユルヴェーダ料理、何を食べるか、どう食べるか

私が考えるアーユルヴェーダ料理とは、大きく括れば季節や年代、もう少し範囲を狭めればその日の気温や体調、それらを勘案して口にしたものが体内でうまく栄養素を取り込んで代謝され、いらないものはきちんと排泄される手助けするものです。

内臓の動きは自分では制御できませんが、何を食べるかは自分で決められます。腸がご機嫌であれば私たちの体も自ずとご機嫌です。今日は暑いから体をクーリングする食べ物を、お腹が張っているからこのスパイスを、加齢してきて消化が落ちているから量を減らしておこう、そんな風に自然の動きと自分の体調がうまく調和するように、意識して選択して調理できること、それがアーユルヴェーダ料理だと考えます。

アーユルヴェーダの考え方についてはこちらをご参照ください。

アーユルヴェーダ料理に必要なこと

1番大切なことは私たちが食べたものが適切に消化、代謝され体の隅々まで滋養されることです。では、どんな食事をしたら良いのでしょうか?

日本食で、インド料理で、西洋料理で、どんな場合でもアーユルヴェーダ料理になりえます。  大切なのは季節に合わせ、消化力に合わせ、地産地消で、新鮮なものを体質に合わせて食べること。

覚えておきたいことは次のようなことです。

  1. 消化に軽い
  2. 食材で選ぶ
  3. 季節で選ぶ
  4. 時間を選ぶ
  5. できたての温かいもの

そしてお腹が空いていないなら無理して食べない、冷たいものは口にしない、食べ合わせの禁忌も忘れずに取り入れましょう。

point1-消化に軽い料理

BSDTパンチャカルマホスピタルの院長であるサダナンダ・サラデシュムク先生がくださる食生活のアドバイスはいつもシンプルです。体調を整えたい時には、「消化に軽いもの」「液体食を増やして固形食を減らすこと」です。以下の動画はそうしたアドバイスに沿ったインドの軽食やスープの一例です。レシピは全てBSDTのプラバタイ先生から教えていただきました。日本の書籍ならば「アーユルヴェーダ食事法ー理論とレシピー」香取薫・佐藤真紀子共著(径出版)にも詳しいレシピがありますのでご参照ください。

point2-食材で選ぶ

アーユルヴェーダの古典書には有益な食品を説明している箇所があります。例えばムング豆、ギー、生姜、葡萄などです。その他にも効能が高いアムラや冬瓜、ビーツなどがあります。食材の性質を知っていると、体質や症状に合わせて選ぶことができます。

noteの投稿に食べ方の種類や調理方法のアイデアを書いてありますのでご参考ください。

point3-季節で選ぶ

例えば冬であるならば体を温めるように、黒胡椒や生姜を使い、油分の含まれた食事を選びます。

夏ならば身体をクーリングしてくれる食材を選んだり、ベチバーやコリアンダーのお茶や麦茶などで体内の熱を下げるようにします。性質がクーリングのものを選ぶのが大切なので、氷の入った冷たい飲み物やかき氷などの物理的に冷たいものは避けるようにします。特に余分な熱をあげるものは注意が必要です。

花粉症のある方は冬の間から気をつけることが春を楽に過ごすコツです。特にクリスマス、お正月、バレンタインデーとご馳走が続く冬は消化力の強さに甘えてしまいますが、春につけが回ってきますので対策が必要です。

point4-時間を選ぶ

揚げ物や消化に時間のかかる肉や魚がメインの食事を食べるならばお昼にしましょう。そして次の食事の前に消化が終わってお腹が空いているかどうか確認します。消化力の弱い時や季節に食べる場合は量を加減するか、消化を手助けしてくれるスパイスなどをうまく取り入れます。

point5-できたての温かいもの

作り置きよりや冷凍食より、出来上がって温かいうちに食べるのがおすすめです。外食は大量調理されて時間が経っている場合もありますし、食べ合わせの悪いものが使われている可能性もあります。外食が続いて体調が思わしくない場合は、そこに原因があるかもしれません。

和食で夏のアーユルヴェーダ料理
アーユルヴェーダ料理で重宝する滋養するスープ
アーユルヴェーダ料理として柔らかく調理したダールとご飯

アーユルヴェーダ料理のアイデアを得る

炊いたご飯に柔らかく調理したダールをかけて食べるインド料理は、日本ならばご飯にお味噌汁で食べるようなもの。国によってシンプルで滋養する食事というのは異なりますが、簡単にできて栄養が取れるという点では同じです。ですからインド料理である必要はなく、国それぞれのアーユルヴェーダ料理が存在すると思います。

インド料理は調理の中にスパイスをうまく取り入れています。例えばお腹にガスを発生させる食材にはそれを解消してくれるスパイスを合わせて調理します。この考え方は和食にも取り入れられるでしょう。

インド菓子

私がインド菓子を作るキッカケとなったのは、インドでプージャ(御祈祷)するときにはお菓子が欠かせないことでした。プージャが終わるとお下がりとしてそのお菓子をいただけるので、日本人である私がインド菓子を作ってお供えにするととても驚かれ喜んでくれたからです。

ギーはアーユルヴェーダではとても大切な油で積極的に摂取したいところですが、日本では馴染みがない人が多いと思います。しかし例えばラドゥというお団子のようなお菓子にしてしまえば、高齢者の方でもギーを簡単に摂取することができます。もしくは蒸しパンをバターの代わりにギーで作ることもできます。身近にある物を少し置き換えることで、普段の生活にアーユルヴェーダのエッセンスを取り入れることができるように、これからもお菓子作りをしていきたいと考えています。

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